あなたの雑貨店のオープンを実現するためには、まず最初に 「どのような雑貨ショップを開きたいのか?」 という、これからの指針となるべきショップ・コンセプトを明確にし、具体化する必要があります。
ショップ・コンセプトとは、これからオープンするあなたのお店の「道しるべ」です。
顧客に支持された良いお店、成功している繁盛店には、お客さんを惹きつける「良いコンセプト」「良い個性」が必ず存在します。
まずは、お店の商品構成や全体のイメージがある程度かたまらないと、オープンするための方針もハッキリしてきません。 そこで、今まであなたの頭の中で漠然と思い描いていた構想を具体的にわかるように紙の上に書き出してみましょう。
1.お店のターゲットを決める
まず最初は、どのあたりの客層を主な対象とした商品構成の雑貨ショップにするのか?をある程度具体的に決めておかなければなりません。それによって仕入れる商品もお店の内・外装の雰囲気も変わってきますので、お店作りの重要なポイントとなります。
例えば、インテリア雑貨や家具、シンプルなデザインの食器類などを取り揃えたお店は、無印良品のように男性も女性も幅広い客層がターゲットとなりますが、アクセサリーやファッション小物類を扱う服飾雑貨店だと自ずと女性客中心となります。
女性客を対象とした雑貨店でも、
・女子高生やティーン、二十歳前後の若者層
・都会で一人暮らしのOL層
・家庭持ちの30代主婦層
・40〜50代の収入にゆとりのある中・高年層
というように、より細かく分類分けすることができ、その中のどの層をメインターゲットとするのかによっても、商品構成や価格帯は変わってきます。
また、アメリカン雑貨を中心として雑貨ショップを開くような場合でも、ファイヤーキングを中心に揃えた専門店のように、一部のマニアやコレクターをメインターゲットとするお店作りもできます。
どのようなお客さんを対象とした雑貨ショップを開きたいのか?
そのターゲットを明確にすることによって、お店の品揃えにもブレがなくなってきます。
2.お店の商品構成を決める
続いて、どのような雑貨商品を取りそろえたお店にするのか?を具体的に決めてみましょう。
・スタイル面(商品構成の中心雑貨)
スタイル面とは 「アンティーク雑貨」「ファッション雑貨」「生活雑貨」というように、お店の種別となります。
・テイスト面
テイスト面は「エスニック調」「プロバンス調」「北欧ヨーロッパ調」という、お店の商品全体の統一したイメージ感を指します。
・主要商品の価格帯
価格帯は、お店でいちばん多く扱う、メインとなる雑貨商品がいくらくらいになるのか? を決めてゆきます。1万円を超えるような商品が中心となる場合は、お客さんのクレジットカードでの支払い率が高くなります。
・中心商品
中心商品は、お店の商品構成比の中で、一番高い比率の商品が何になるのか?「アクセサリー」「ステーショナリー」「キッチン用品」などのように個別のアイテムで考えてみましょう。
これらの要素をすべて当てはめて、お店のコンセプトイメージを決めた場合、
・OL層を対象としたお手頃価格のマグカップが中心の北欧調テイストの生活雑貨店
・1万円未満で買える5〜60年代のブリキ雑貨を中心としたアメリカン雑貨店
などが考えられます。
実際の雑貨店の例として、SCを中心に全国展開している人気雑貨店の「スタジオクリップ」のショップコンセプトは
取り扱い商品 |
南フランスをテーマにした生活・服飾雑貨 |
店舗イメージ |
陽光が降り注ぐ街角(自然な色使いの天然素材を中心) |
対象客層 |
32歳主婦、子供1人、世帯の年収500〜600万円、 ぜいたくはできないが、素材や心地よさは譲らない。 嫌いな物はタダでも部屋におきたくない消費者 |
このように、かなりターゲットを絞った明確なコンセプトのお店作りになっています。
「 天然素材を使用していないナイロンのバッグなどは、それが今流行りの商品であろうとも取り扱わない 」というように、このショップ・コンセプトにマッチしない商品類は、たとえそれが売り上げを稼げるおいしい商材であったとしても決して取り扱わないという一環したコンセプトに基づいて『
スタジオクリップ 』としてのショップすべてのイメージを作り上げています。
そのほかにもこのショップコンセプトの要素としては、「出店環境」「店舗イメージ」「開業理由」などもあげられます。
「出店環境」は、あなたの雑貨ショップをどのような場所に開きたいのか?
学生街なのか?郊外の住宅街なのか、駅前などの繁華街なのか?
「店舗イメージ」は、どのような内装・外装をイメージしたお店を開きたいのか?
「開業理由」は、なぜそのお店を作りたいのか?
などがありますが、最初からあまり掘り下げて考え過ぎるとお店のイメージが限定されてしまいますので、まず「対象客層」と「商品構成」だけに絞って考えみて下さい。
|